緑内障とは、ものを見るための神経(視神経といいます)が少しずつ死んでいってしまう病気です。その結果、その神経が受け持っていた視野(ものが見える範囲)の一部が見えなくなり、その見えない部分が少しずつ広がっていきます。進行すれば、視野は極端に狭くなり、ちょうど筒を覗いたときのような見え方になります。さらに進行すると視力も低下し、中心の視野も消失して、最終的に失明に至る場合もあります。
長い間、緑内障とは「眼圧(眼の硬さ)が高くなると起こる病気」と考えられてきました。私たち眼科医も「眼圧は正常ですから心配ないですよ」と患者さんに話していたわけです。ところが6年ほど前に行われた大規模な疫学調査の結果、「40歳以上の17人に1人が緑内障」で「そのうち半数以上は眼圧が正常」であることが分かりました。その結果、私たち眼科医も、緑内障に対する考え方を大幅に変更せざるを得なくなりました。
緑内障という病気は、やっかいなことに、初期にはほとんど症状がありません。このため、病気がかなり進行してから(視野がかなり狭くなってから)ようやく眼科を受診する方が少なくありません。最近は、町の検診や人間ドックで眼底写真を撮るようになったため、その写真から緑内障が発見され、眼科外来を受診する方が増えています。また、テレビ番組や新聞の健康欄で緑内障を取り上げることも多くなり、心配になって眼科に来る人もいます。このほか、別の症状で眼科にかかったときに、たまたま緑内障が見つかった、という人もいます。このように、緑内障を早く見つけるには、検診や人間ドックを受けるか、眼科にかかって眼底検査を受けるしか方法はなさそうです。